12月8日、東京は鉛色の雲がたれこめるつめたい朝をむかえていた。ベランダから寒空を見上げているうちに、やはり行ってみようときもちがきまった。あわただしく午前中の予定を変更して、品川の東京入国管理局へむかう。群馬県高崎市に住むイラン人、アミネ・カリルさん一家の、国外退去を猶予されていた仮放免の日限がきょうである。家族4人のうちアミネさん、おくさんのファロキ・アクラムさん、長女のマリアムさん(高3)の3人が出頭する朝である。次女のシャザデさん(小4)は学校。