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青池憲司コラム眼の記憶10

第5回 KOBEで/1.16
2010.2.20
会場で話す青池
写真 会場で話す青池
神戸映画資料館
写真 神戸映画資料館

 16日(土)。新長田の神戸映画資料館へ。記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』第1部〜第6部と、『阪神大震災 再生の日々を生きる』の上映がきょうから行われる。1時間ほどのトークをする(写真)。来場者のなかに震災後の復興活動で交流のある知友の顏を見る。来神していた金原雅彦さん(『震災発』主宰者。http://www.shinsaihatsu.com/)が写真を撮ってくれる。終了後、せっちゃん(河合節二・野田北ふるさとネット事務局長)、東京の世田谷からやってきた矢野智子さんといっしょに、ポートアイランドにある神戸国際会議場へ向う。

 会議場では、「復興の知恵を共有・発信する〜神戸・ニューオリンズ被災地区交流会」なる催しが開かれていた。「災害教訓を世界へ発信する」という鼎談があり、林春男さん(京大防災研究所)、坂戸勝さん(国際交流基金)、Richard Eisnerさん(元カリフォルニア州防災局)が所論を述べた。3氏の話の眼目は、災害の教訓をどのように記憶し、共有していくか、というものであった。これは、わたしの年来の主題である。傾聴する。会場で、小林郁雄さん(阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワーク代表世話人)、天川佳美さん(まちづくり株式会社コー・プラン)、石東直子さん(都市プランナー)らに会う。復興活動の知友である。

 つづいて行われた「復興の経験を共有する」では、神戸とニューオリンズのそれぞれ5つの地区・団体のリーダーが、復興まちづくりのプロセスと現在を報告した。神戸側は、長田区御蔵地区、同・野田北部地区、兵庫区松本地区、灘区六甲地区、NPOきんもくせい。

 ニューオリンズ側は、Holly Cross地区、Lake View地区、Vietnam Community、Lower 9th地区、Neighborhood Partnership Networkである。どちらからのいずれの報告も、被災当事者である住民や専門家の発言で、具体的かつリアリティと説得力に満ちていた。これらの経験と知恵の報告をここだけのものにしておくのは惜しい。広く行き渡らせたい。

 終了後の懇親会で、森崎輝行さん、池田寔彦さん、日下雄介さんに会う。森崎さんは、建築家で、長田区野田北部の復興まちづくりに大いに貢献した。池田さんは、灘区琵琶町の「琵琶町復興住民協議会」の会長であり、ディキシーランド・ジャズ・バンド「ザ・ビッグ・ディッパーズ」でチューバを吹くジャズマンであり、「神戸とニューオーリンズのジャズ交流実行委員会」の委員長でもある。日下さんは、同実行委員会事務局長と、「日本学校ジャズ教育協会関西本部」の事務局長を務める。ジャック・ダニエルを呑みつつ、森崎さんとは復興まちづくり15年間のあれこれ話を、池田さん、日下さんとはJazz談義をたのしんだ。ことしは神戸のJazzを堪能しよう。

 そのご、藤沢武司さん(「FMわぃわぃ」創成期のスタッフ)と会い、長田区六間道・丸五市場のやきとりや(滅法美味)で呑み、夜更けて、野田北ふるさとネット事務所へもどる。林博司さん(野田北ふるさとネット本部長)、古市忠夫さん(野田北部の隣、旭若松地区のまちづくりに活動した)、ご存知せっちゃん、森反章夫さん(東京経済大学教授、震災直後に学生ボランティアを引き連れてこの地へやってきた)、村本勝さん(野田北部を記録する会制作の阪神大震災関連作品のフィルム編集者)らとさらに呑む。これだけの顏がそろったら呑まないわけにはいかないだろうと呑む。来し方幾春秋を話題に呑む。KOBEの1月16日は大晦日だからといって呑む。明日は未明の起床と承知で呑む。なんだかんだといいながら毎年の年明けである。

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