佐藤 滋
復興まちづくりの過程をこのように完全に映像で記録したことは、これまで例を見ない。住民が自らの力で立ち上がろうとした全容を「人間のまちづくり」として描ききっている。まちづくりはプロセスである。住民が力をあわせて組み立てる、映画のシナリオのようなものだ。この記録映画から、ほんとうの人間のためのまちづくりとは何かを学ぶことができる。すばらしい演者たちとそれを記録するカメラが、いっしょにこのシナリオを進めてきた。そして全国のなかまたちがカメラの目を通してまちづくりを見つめている。こうして全14巻がそろってみると、淡々とつづられたこの大震災からの復興まちづくりが、壮絶な人間ドラマであったことに改めて気づかされる。まちづくりや都市計画に関わるすべての方々に深くご覧いただきたい大作である。