「記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』」
(全14部[14時間38分]/カラー/ヴィデオ作品)
撮影期間1995年1月〜1999年4月(写真はDVD版)
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〔解説〕
1995年1月17日未明、兵庫県南部地方を襲った大地震は、都市を直撃した自然災害としては関東大震災以来の被害をもたらした。神戸市長田区野田北部地区も、その家屋の3割が全焼、7割が全半壊、死者41人という大きな被害をうけた。しかし、人びとはもたらされた災厄に手をこまねいてはいなかった。
この地区には震災前から、「野田北部まちづくり協議会」があって、住民が自主的に自分たちの地域をみつめ、住環境の改善に取り組んでいた。震災直後、まちづくり協議会は復興対策本部を立ち上げ、被災者の生活再建とコミュニティの再生を模索する活動を始め、住民が主体となったまちづくりを進めた。時間がかかり、試行錯誤もありながら、地域のなかでじっくりと議論を重ね、専門家やボランティアと協働し、行政とも根気よく話しあうことで、「人間のまち」がつくられていった。
この作品は、野田北部・鷹取という一地域にキャメラを据えて、震災直後から99年4月まで、4年3か月におよぶコミュニティ再生のプロセスを、現地に流れる時間によりそいながら撮影をつづけ、製作した、全14部の長編ドキュメンタリーである。 |