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青池憲司コラム眼の記憶10

第9回 秋がきた
2010.10.27

 前回のコラムで、「夏はきぬ」と書いたのが7月3日ですから、ほぼ4か月ぶりの登板です。ことしは夏が長くて、秋がきたと感じいる間もなく、きょう(26日)あたりは北海道・東北の一部で雪、近畿地方では木枯らし一番が吹いたといいますから、えつ、すでに冬がきたのかといった季節の趣です。それはさておき、NGO VIETNAM in KOBE(NGOベトナム in KOBE)から届いた「NGO ヴィエト ニュース」の第56号(17/10/2010)に、わたしの関心を惹く記事があったので、それに触れて書きます。NGOベトナム in KOBE http://www.tcc117.org/ngovt/ は、神戸市長田区野田北部地区にある、在日ヴェトナム人コミュニティを支援するグループで、たかとりコミュニティセンターの構成団体の一つです。

「UNHCRのシンポジウムに参加」

 2010年8月25日、国連大学でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)主催の「日本への第三国定住:よりよい保護と社会統合のもとへ難民を迎える」についてのシンポジウムにNGOベトナムin KOBEのHa Thi Thanh Nga(ハ・ティ・タン・ガ)代表はパネリストとして参加しました。日本政府は2008年から日本は3年間、毎年30人の難民を引き受けることに決定した。9月28日初回のミャンマー難民27人が来日することになった。前半は「第1庇護国から出国前」。NGOベトナムin KOBEの代表Nga氏は後半の部で「日本社会への総合」の出番でした。「私は元インドシナ難民からの立場と経験者として、社会総合への困難・現状や課題などを述べたが、今回の難民の引き受け方は32年前とあまり変わってない、もしくはもっと悪くなったことにすごく気になります。今までの問題点を改善してから、引き受けることになるだろうと期待してたので、少しがっかり。この27人の未来は見えそうで心配です」ガ氏の言葉。

「難民円卓会議に参加」

 9月26日(日)東京大学で日本難民調整委員会(RCCJ)主催の「難民円卓会議」にもNGOベトナムin KOBEの代表、Nga氏がパネリストとして参加しました。難民円卓会議とはさまざま背景をもった難民が集まり、「日本に生活する上の課題など」を取り上げ話し合うことで解決策を探るためでした。難民と言っても、インドシナ難民・条約難民・人道的難民と第三国定住難民があります。難民全体の共通課題ほか各難民の課題があります。日本難民調整委員会は難民自身が集まり、活動をしています。

 難民の第三国定住制度を日本が実施するについてのガさんの危惧、「今回の難民の引き受け方は32年前とあまり変わってない、もしくはもっと悪くなったことにすごく気になります」は、わたしの懸念でもあります。

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