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青池憲司コラム眼の記憶10

第12回 震災小片雑記・八(110414)
2011.4.19

 東日本大震災は、大地震であり、大津波であり、原発災害である。東京電力福島第一原子力発電所の事故が引き起こした災厄を機に、反原発行動が活発になった。なった、というのは、けっして他人ごとでいうのではなく、わたくしごととしていうのである。1980年代後半の脱原発運動のうねりが1990年代に入って引いていくなかで、わたしも原発反対をいいながら、積極行動をとることがすくなくなっていった。とくに、阪神大震災以降は遠のいた。いま、鮮明に思いだすのは、阪神大震災直後の神戸駅頭で見た光景である。あるグループが敦賀原発をはじめ日本海側に建つ原子力発電所の危険性を訴えていた。"被災者ルック"(当時そんなことばがつかわれた)の人たちは、しばらく立ち止まるか足早に通り過ぎるかで、耳を傾ける人はすくなかった。KOBE被災地はそれどころではなかったのである。わたしもそんな実感をもつひとりだった。16年後に、その危険性は最悪の現実となって、いま、わたしたちの前にある。

【小片16】

  4月10日。「高円寺・原発反対デモ」に、わたしも参加した。さまざまなアクションがあり、ことばがあり、楽があり、顏があった。幼少老若男女多民族多声の群れである。群れやよし。群れのひとりとなる歓び、は一入(ひとしお)である。おとなもこどもも群れのなかで育ち学び成長する。公園やストリートという共有空間に、「一寸の虫にも五分の魂」たちが1万5000人ほど集り、パフォーマンスを繰り広げた。デモは量であり、量は質に転化する。

● SCENE1 高円寺中央公園at2:30pm

● SCENE2 高円寺周辺のストリートでat3:30pm

【小片17】

 東日本大震災を機に全国に反原発行動が全国に広がっている。16日に、大阪で「原発いらん! 関西行動」、東京・渋谷で原発被害を受けた農家のためのデモ「野菜にも一言いわせて! さよなら原発デモ!!」があり、24日、26日には、世界同時アクション「原発なしで暮らしたい100万人アクション in ヒロシマ」が行われる。

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