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青池憲司コラム眼の記憶10

第7回 震災小片雑記・参(110329)
2011.3.30

【小片9】

26日、首都圏は大風。「東日本大震災被災者応援チャリティOKUBOの集い〜多文化で紡ぐいのちの環〜」がOKUBOアジアの祭運営委員会の主催で開かれた。会場は、新宿区大久保の日本福音ルーテル教会東京。「集い」の目的は二つで、ひとつは、東日本大震災で被災したすべての民族の人たちへの寄金、ふたつは、首都圏での災害に備える多民族協働のネットワークづくり、であった。

●SCENE1日本福音ルーテル教会東京at12:30pm

●SCENE2会場内ロビーat12:45pm

多くの方から募金が寄せられ、その総額は118,900円でした。

SCENE3会場内(礼拝堂)at13:00pm〜

「集い」の内容は以下のごとくでした。

◯東日本大震災で亡くなられた方を悼んでの黙祷
◯被災された人びとへのことばと歌と演奏
*チョータリ(パンチャラマ・サラバンラマ/加藤実)
*アリソン・オパオン+生田卍
*蓬バンド
*関野牧師のメッセージと歌
*庄野真代

◯多文化トーク
*「災害に備える多民族協働のネットワークづくり」
話者=アリ・コドリ(バングラデシュ)、モモ(ビルマ)、イ・ナギョン(韓国)、アベベ・ゼウゲ(エチオピア)、大沢則夫(大久保地域在勤)、青池憲司(司会)

*「被災地外国籍住民の現状」(Eメール、ブログなどで集められた声の一部)

●地震の影響を受けている地域の中には当然、日本国民だけではないのです。身体が不自由な方、高齢者、日本語が分からない、様々な人びとが被災しています。メディアでは、私が見ている範囲では、日本語がわからない人のことはあまり報告されていません。外見で分からないいわゆる「見えない外国人」の人達の状況はきっと本当に不安でしょう。

●どう対応していけばいいのか、確かな情報、多言語化した情報が届かない状況があります。地域差はあるでしょうが、「原子力発電所は本当に大丈夫なの?どうすればいい?」ときくのです。とにかく、私もとにかく落ち着いて、周りの関係者としっかり話し合うようにというしかないです。そういう不安な状況で、さらに不安を抱えている子どもたちの存在を忘れないでほしい。

●被災地では、そこにいる人びとは間違いなく助け合っています。それをきいて、安心はしました。しかし、テレビみながら、遠くから状況をみている人は、普通に生活するのは当然必要ですが、その普通の生活がどのように維持されているのかを想像することができているのでしょうか。

●日本を応援したいと思っているのは、日本人、世界の人びとだけではなく、日本で生活している外国人も同じ思いです。ブラジル人たちを例にすれば、どう被災者を助けられるか、すごい連帯感(solidarity)の思いで満ちています。どう物資を送ればいいか情報が欲しいと騒いでいます。それをいかにおさえて、冷静に判断して、とにかく、民間がもっと助けられるときがきたときにそなえてもらえるかが大変なくらいです。それでも待機しきれなく、もうとりあえず物資をあつめているなどをしている人もいるくらいです。

●理解者がこの社会に増え、外国人をふつうの人間として受入れて、協働でこの社会をささえ、つづけて行くことができる社会づくりが進むよう願いたい。

●帰国したいという人は、地震について原発についても正しい情報を持っておらず、日本沈没のような本国からの情報を真に受け、パニックになっています。また、帰国した後の仕事の目処が立っていない人がほとんどです。

●停電により、勤務先の工場の稼働時間が短くなってしまい、収入に影響が出ています。

●神奈川でも生活必需品が手に入りにくく、子どものミルクが手に入らない。米が買えないという電話もあります。被災地に送るだけではなく、被災地以外の地域に住む人にも、生活必需品が行き渡るような支援が必要だと思います。

●今でも、毎日、多くの方が亡くなっている被災地に比べれば大した被害はないのだから我慢すべきとは言えないように思います。被災地でもなくても、ニューカマーの外国籍者の生活上の心配はとても大きいのです。

●欧米系を中心として日本から避難する外国人の姿ばかりが報道されている中、被災地を最前線で支える外国籍住民のこのような事実を報道してもらうように、報道関係者におねがいしたい。

多文化トークの出席者。

(つづく)

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