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青池憲司コラム眼の記憶10

第1回 パスをつなげて
2011.1.25

 阪神大震災から16年。ことしも1月16日、17日、18日に被災地KOBEを訪ね、大勢の人たちと会いました。地域の住民さん、専門家、ボランティア、行政関係者など、震災まえからの友人知人もいますが、多くは地震とそのごの復興期に出会ったみなさんです。その人たちが、みんな同志の間柄というわけではありませんが、ある時期時機に濃くも薄くもかかわりをもった同士で、どの人もわすれられない面々です。

● SCENE1 大国公園at5:46am

 17日の未明、神戸市長田区野田北部地区の大国公園で住民のみなさんといっしょに、亡くなられた方々の鎮魂と生きてある人びとの安寧を祈って希望の蝋燭を灯しました。この朝は震災後でいちばん寒い朝でしたが、しかし、そこにはあの日の朝に思いを馳せる住民さんの、いつに変わらぬあたたかな応対があり、震災・震後体験は人びとの暮しのなかに活きづいている、という実感をもちました。

● SCENE2 JR新長田駅前広場at5:46pm

 阪神大震災発生から12時間後です。わたしはJR新長田駅前広場にいました。恒例となった「1.17KOBEに灯りをinながた」の会場です。1999年にはじまったこの催しは、夕刻5時46分に、震災で亡くなられた方々の供養と新生へのねがいをこめて黙祷し、灯りを点します。そして、被災地KOBEの一隅から、阪神大震災の記憶を発信しつづけています。主催は、地域の団体や個人で構成する実行委員会で地元企業の協賛もあります。この日のための蝋燭は、長田区や須磨区の中学校・小学校・保育園の生徒児童の手でつくられています。まさに、老若男女、住民さんたちの自律・協働の事業です。

● SCENE3 JR新長田駅前広場at4:30pm

 蝋燭点灯の1時間ほどまえにもどります。会場には実行委員やボランティア・スタッフ、関係者の姿がありました。すでに準備はほとんど終りリラックスの一刻です。実行委員長を務める和田幹司さんは、「ことしも、こども、若者、おとなまで、全世代参加の共同作業で、この日へ向けてのパスがビシッとつながった」と笑顔でした。そのパスワークが震災のまちの記憶を、新たな共生のまちづくりのエネルギーへと変えていくと、わたしは確信します。

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