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コラム「Circuit 06」青池憲司

第9回  春 再々
2007.3.25

 この時期、わたしのコラムにかならず登場するネタがふたつあり、ひとつは「いかなごのくぎ煮」ネタで、これはすでに書いた。補足すれば、ことしはいかなごが不漁だという。神戸市長田区野田北部のせっちゃん(河合節二・野田北ふるさとネット事務局長)からのメールに、「暖冬の影響か春の名物イカナゴの新子(稚魚)の収穫が思わしくありません。例年であれば解禁後徐々に量が増えて、価格もこなれてくるはずが、日々高騰する事態となっています。私も即クギ煮を作りましたが、今シーズンは後数キロぐらい作りたいですが、果たしてどうなることやら・・・」とあった。せっちゃんが炊いたくぎ煮も食べてみたいね。もうひとつは「桜花賞」ネタである。正確には「俊ちゃんと桜花賞」ネタで、俊ちゃん(河合俊造さん)はせっちゃんの兄貴で若くして幽境に逝ってしまった。(コラム「Circuit06」第9回をご参照ください)。ことしの第67回桜花賞は4月8日である。まだ行ったことのない阪神競馬場へことしは行ってみようか。

 春はものごとの「再」の季節である。「再生 再出発 renewal restart」。大阪のMBSラジオ(毎日放送)で12年間つづいた番組『ネットワーク1.17』が3月でひとつの役割を終え、この4月からrenewalすることになった。番組は地震の年1995年4月15日にはじまり、阪神大震災と再生復興のプロセスを、住民の生活レベルで見つめ語りつづけてきた。わたしも何回か出演させていただいた。12年間、スタッフもかわらず固有のテーマで(しかも地味な)つづけてきた番組は稀有であろう。4月2日(月=毎週)の夜7時30分からがrestartである(番組HP=http://www.mbs1179.com/117/)。その前日、4月1日(日)にもうひとつのrestartがある。カトリックたかとり教会の新しい聖堂でのさいしょのミサである。新施設の建設工事で鷹取を離れていた教会と、たかとりコミュニティセンター(TCC)がもとの地にかえってくる。教会の献堂式(竣工式)は5月26日(土)で、翌27日(日)にはTCC主催の盛大なパーティがあるという。でかけよう。

 3月23日の夜、ミンソウセイの小学校卒業を祝う集りにでかけた。場所は早稲田鶴巻町の住宅街の一角にある「風まち喫茶」(身近な地域で暮すために、いきいき生活、応援サロン)。ミンソウセイは新宿区立大久保小学校に通っていたミャンマー人少女である。5年生のときに母親の非正規滞在が東京入国管理局に摘発されて、母子ともども強制送還の危機に落ちたが、本人たちのつよい意志力はもとより、地域の人たち、ボランティア・グループ、専門家集団などの支援活動があって在留特別許可をえた(コラム「Circuit06」第5回を参照あれ)。その少女がことしも在特を更新して無事小学校を卒業した。母親のソウソウミンがつくる祝いの料理のテーブルをかこんで、一座には日ごろ母娘を支える人たちのよろこびの顔がならんだ。わたしもその席につらなって焼酎を呑みながら、きょうの卒業式を撮影したヴィデオを見た。大久保小学校のことしの卒業生は22人。壇上でみんなが短く思いを述べる場面があった。ミンソウセイは、「わたしは将来デザイナーになりたいです。これまで育ててくれたお母さんありがとう」と凛とした声で話した。

 春、再々、それぞれの出発である。

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