Homeコラム > Circuit 07 -08
コラム「Circuit 06」青池憲司

第8回 4月5日、大久保で
2007.3.17
在特家族会による東京入管へのデモ
▲在特家族会による東京入管へのデモ

 4月5日(木)の夜、「すべての子どもたちに未来を!〜真の『多文化共生』社会の実現を目指して〜」というイベントが新宿区大久保で開かれます。――いま、この国には、在留資格がないために学習の機会をうばわれ、父母の出身国に強制送還されてしまうこどもたちがいます。そのこどもたちが学校へ通い、友だちをつくり、家族と生活してきた場所は日本の地域社会にほかなりません。かれらが生きる基盤は「ここ」にあるのです。国籍を問わず、そんなかれらが自由に自分の未来を思い描くことができる共生社会をつくろう。――それがこの集りの趣旨です。

 非正規であっても、日本に定住(滞在)する外国人のこどもが日本で教育を受ける権利は認められています。しかし、親の非正規滞在が摘発されて国外退去処分になった場合、こどもがそれまで受けていた教育の権利は阻碍されてしまいます。10年いや20年ちかくも、両親はまじめに働き、こどもは地元の学校で学び、家族は地域にとけこんで生活し、非正規滞在とはいえ、実質的に日本社会の構成員である、かれらの暮しが突然切断され、国外強制退去になる事例もあとをたちません。こども自身が日本で勉強することをのぞみ、親が同意しても、それが日本政府によって認められることはほとんどありません。

 もう何度もこのコラムに書いているアミネ・カリルさん一家のように、4月から大学生になる長女のマリアムは在留特別許可(在特)が認められて、両親と妹は退去命令に従わざるをえない例もあります。マリアムに在特がでたことを法務大臣の“温情”と評価する向きもありますが、はたしてそれでいいのでしょうか。人がもっている学習権や家族の団結権より入管法のほうが上位にあって、されど、今回の事例は特段のおぼしめしで、ねがいを叶えてやったということでしょうか。アミネ・カリルさん夫妻とマリアムにとっては、たとえ、家族がバラバラになっても現状での最善の選択をしたことになりますが、日本政府のやり方はやはりわたしの腑に落ちません。

 わたしは、その腑に落ちないあたりを、わたしの関心として集りに参加したいと考えています。集会では、わたしが構成編集したヴィデオ作品『在留特別許可を求めて〜2006・9・24 東京入管へ〜』も上映されます。この作品は、昨年の9月24日に、「在留特別許可を求める非正規滞在家族会」(在特家族会)を中心に、100人を超える外国人と日本人が行なったデモンストレーションの記録です。この日、在特家族会とかれらを支援する市民グループは、東京入国管理局へのデモと、局内に収容されている人たちに激励の声を届けました。「子どものいる非正規滞在家族に在留特別許可を認めろ!」「仮放免を認めて必要のない収容をやめろ!」「差別のない自由で公正な多文化共生社会をつくろう!」

 在留特別許可を求めている家族のこどもたちが、オレンジ色の横断幕を持ち隊列の先頭を歩き、切実な気持ちをアピールするプラカードを持った若者とおとなたちがつづきました。入管正門前では、収容されている家族や友人同胞へ、それぞれの母語で応援の声を送りました。「入管に収容されているみなさん、苦しいと思いますが、がんばってください。わたしたちはみなさんを応援しています」と呼びかけました。夫が収容されているフィリピン人女性は泣きながらタガログ語で、「わたしたちも一生懸命にがんばるからお父さんも負けないで!」と叫び、父親に声をかけようとマイクを握ったフィリピン国籍の小学生女子は、「パパ・・・」といったきり、言葉にならず泣きじゃくりました。この作品には、9月24日行動の全容とともに、ミャンマー人家族とフィリピン人家族のインタヴューが収められています。制作は、APFS(ASIAN PEOPLEユS FRIENDSHIP SOCIETY)と在特行動記録委員会、構成・青池憲司、撮影・西中誠一郎、音楽・垣内裕志、ナレーター・鈴木江理子というスタッフです。

 4月5日のイベントの内容日時場所などの情報はトピックスでご覧ください。

(c)2003-2013 The Group of Recording Noda Northern District. All Rights Reserved.
inserted by FC2 system